歯ぎしり(Bruxism)は反復的な咬筋・側頭筋活動で歯のクレンチング(食いしばり)またはグラインディング(すり合わせ)を伴う口腔筋活動で、米国睡眠医学会(AASM)国際睡眠障害分類ICSD-3および国際歯科医学会(IADR)コンセンサスで睡眠時歯ぎしり(SB, Sleep Bruxism)と覚醒時歯ぎしり(AB, Awake Bruxism)の2型に区別されます。SBは睡眠ポリグラフ検査で律動性咬筋活動(RMMA)として記録され、成人有病率8〜31%。ABは日中の食いしばりが中心で有病率20〜30% — ストレス・カフェイン・不安が誘発因子。長期的には咬耗・歯牙破折・顎関節症・側頭部筋痛・緊張型頭痛・咬筋肥大の原因となり、歯科治療(マウスピース)・生活習慣修正・薬物療法だけでは制御困難な症例にボツリヌストキシンA療法が補助的に用いられます。
機序: ボツリヌストキシンAは咬筋神経筋接合部のアセチルコリン放出を可逆的にブロックし、咬筋の過剰収縮力(クレンチング筋活動)を機能的に低下 — 完全麻痺ではなく筋出力の調整。Journal of Oral Rehabilitation 2018 RCTおよびClinical Oral Investigations 2020メタ解析で歯ぎしりイベント頻度・最大咬合力・咬筋筋電図(EMG)振幅の有意な低下が報告されています。重要なのは「機能性」プロトコル — 美容ジャウラインボトックスが咬筋ボリューム縮小目的で片側50〜80Uを使用するのに対し、歯ぎしりボトックスは片側20〜40Uの低用量に意図的に抑え、咀嚼力維持と夜間グラインディング抑制の機能的バランスを取ります。
Kind Global Clinic 明洞では、(1)カウンセリングで歯ぎしりタイプ(SB/AB)と症状(朝の顎疲労・歯科医からのマウスピース指示・側頭部頭痛・咬耗観察所見)を確認、(2)咬筋筋腹を「歯を食いしばってください」と指示し触診マッピング、片側3〜4点を耳下腺・顔面神経下顎縁枝・笑筋を回避する咬筋筋腹中央部に限定、(3)30〜32Gインスリン注射器で咬筋筋層中間深度(皮膚から5〜10mm)に片側20〜40Uを3〜4点に分割注射、両側合計15〜20分 — 全て共同代表院長が直接担当。歯ぎしり頻度の改善は1〜2週で自覚し始め、4〜6週でピーク、4〜6ヶ月持続。歯科でのオクルーザルスプリント(夜間マウスピース)併用が世界標準 — トキシンは筋出力を抑え、スプリントは歯への直接ダメージを物理的に保護します。咀嚼力テストで「硬いステーキを噛みにくい」という訴えが出ない用量帯を維持。