顎関節症(Temporomandibular Disorders, TMD)はDC/TMD(Diagnostic Criteria for Temporomandibular Disorders、国際コンセンサス2014)で(1)筋膜性疼痛(MFP, Myofascial Pain) — 咬筋・側頭筋の筋膜トリガーポイントが主因、(2)関節原性疼痛(Arthrogenous Pain) — 円板転位・骨関節炎が主因、の2大カテゴリに分類されます。成人有病率5〜12%。症状は顎痛・側頭部頭痛・咀嚼時痛・開口制限(正常開口40〜55mm、TMD では <40mm)・クリック音/クレピタス音・耳閉感・首肩こり併発が中心。長期的には咀嚼機能障害・食事制限・QOL低下を招き、保存療法(理学療法 · NSAID · オクルーザルスプリント · 認知行動療法)が第一選択、外科手術(関節鏡 · 円板修復術)は最終手段です。
ボツリヌストキシンA療法はTMDの筋筋膜性成分(咬筋過活動 · 側頭筋緊張 · 外側翼突筋スパスム)に対する補助的治療として位置付けられ、咬筋・側頭筋・外側翼突筋への複合注射で疼痛VAS減少・最大開口量改善・クリック音減少が複数のRCT(Cochrane 2020レビュー · Journal of Cranio-Maxillofacial Surgery 2019)で報告されています。重要なのは「補助療法」 — TMDの第一選択は理学療法 + NSAID + スプリントで、ボトックスはこれらで効果不十分な症例の補助または難治例の症状緩和として位置付けられます。構造的病変(円板転位 · 関節リウマチ · 骨関節炎)が主因のArthrogenous TMDではトキシンのみでは効果不十分で、口腔外科・整形外科の精査と複合治療が必要です。
Kind Global Clinic 明洞では、(1)カウンセリングでTMDサブタイプ(筋膜性 vs 関節原性)を判別 — DC/TMDアルゴリズムに準じた問診と触診で咬筋・側頭筋トリガーポイント陽性 · 最大開口量(無痛・最大) · クリック音/クレピタス音 · 顎偏位 · 過去画像所見(MRI · CT)を評価、(2)咬筋筋腹中央部 + 側頭筋筋腹 + (必要に応じ)外側翼突筋を触診マッピング、(3)30〜32Gインスリン注射器で筋層中間深度に咬筋片側30〜50U(3〜4点)・側頭筋片側15〜25U(3〜4点)・必要に応じ外側翼突筋5〜10U(口腔内アプローチ)を分割注射、合計両側20〜30分 — 全て共同代表院長が直接担当。筋膜性疼痛VASの改善は1〜2週で自覚し始め、4〜6週でピーク、4〜6ヶ月持続。理学療法・NSAID・オクルーザルスプリント併用 — 単独療法より複合療法が予後良好、必要時は信頼できる口腔外科・整形外科パートナーへ紹介し画像精査・関節鏡対応の連携を行います。